
種から芽を出した植物は、しばらくの間、種に蓄えた養分で生長します。種の中にある「胚乳」が養分を蓄える場所です。
スカビオサの胚乳は、発芽後に双葉(ふたば)となって地表に現れてきます。双葉も光合成をして養分を作り出しますが、それと同時に種由来の養分も提供しています。そして2対目の本葉が出る頃に胚乳の養分は尽きて、双葉もお役ご免。しなびて小さくなって落ちてしまいます。
このスカビオサと同じような成長をするのが大豆。ダイズもやしを見れば分かります。このタイプの植物は身の回りにたくさんあるので観察してみてください。ヒントは「種の形」と「双葉の形」。
この養分の受け渡しは、人間も同じかも。赤ちゃんで生まれたときはお母さんのおっぱい(お母さんの細胞からできた栄養)を飲んで、体が大きくなるにつれ離乳食とおっぱいの両方をとり、ついには乳離れする。そのころにはお母さんのおっぱいもしぼむ。
サケの稚魚が卵から生まれたときにお腹にオレンジ色の袋をつけているのとも似ている。しばらくはその袋の養分で生活し、体が大きくなって上手にエサが捕れるようになるころ、袋は小さくなり、やがて無くなる。
生き物ってみんな似ているのね。